骨髄ドナー候補になったお話~その2~

そういう訳でドナー候補に選ばれたのですが、あくまでもまだ候補の段階。

ここからさらに検査を経てドナーが選ばれるとのことです。同時に5人選定するそうですが、ほんとに5人なのかは分かりません。

ひょっとしたら僕だけという可能性もそこにはあるわけで。

 

確認検査の日取りを決めて、後日検査を行いに病院へ。

基本的に骨髄提供はボランティアの類になるのですが、交通費や医療費は一切かかりません。

交通費はバンクから、医療費に関しては患者さんの健康保険から支払われることなります。

つまりこの確認検査から支払いが始まり、適合し最終同意を経て手術となればその入院費も負担することとなります。

 

藁にもすがる思い気持ちなのか、僕がそれを語るのは烏滸がましいものです。

ただ、そこまでしてでもという気持ちだけは伝わりますし、適合者としてまた医療人として無下にすることだけは出来ないという気持ちもこちらにはあります。

 

確認検査では基本的な採血項目に加えて、感染症などの検査も行います。

基準値もバンク独自のもので普通に行うものより厳しいのかなという印象がありました。

知り合いにも過去に適合者に選ばれて確認検査をした方がいたのですが、その方は肝炎の検査で偽陽性の判定となり、その時点で終了。ドナー登録自体も抹消されたと聞きました。

 

もし移植となった時には患者には大量の放射線抗がん剤投与により、自身の造血幹細胞を殺す必要があります。

そうなると患者は抵抗力が無いに等しくなる為、無菌室に入ることになります。

そんな身体に骨髄を移植するわけですからドナーの血は健康そのものであることが絶対なのです。

 

後日、確認検査の結果が出て、改めて僕にドナーをお願いしたいとのことでした。

定期的に献血もしているので、血の綺麗さには自信があります。(フフン)

こういう機会がなければそういう検査を受ける機会もないわけでこれはこれで良いと僕は思ってます。

 

そして今度は最終同意。

医師と第三者立ち会いの元、同意書に署名捺印を行います。

これ以降はドナーによる撤回はできません。

逆にここまでは嫌といえば断れます。

この最終同意をもって、患者には確実に骨髄提供を受けられると通達がされます。

そして移植前処置として先程の放射線照射や抗がん剤投与が始まります。

患者にとってはここからがスタートなのかもしれません。

この移植前処置が耐えられなければ骨髄移植はできないので、耐えられない方は骨髄移植の選択肢すらないということにもなります。

 

さて、僕はというと、ここまで順調にコーディネートが進行していたが、この最終同意で大変な思いをすることになるとはこの時は知る由もないのであった……。

 

つづく